音の輪コンサート主催者挨拶


2021年5月2日に川崎市のカルッツ川崎大ホールにおいてアルフレッド・リード博士の生誕100年を祝う第22回音の輪コンサート開催することを決定いたします。

一向に沈静化せず拡大を続ける新型コロナウイルスの猛威の最中にあり、その影響による日常生活の閉塞感、そして経済活動の停滞による経営破綻などこれまで経験したことのない生活を10ヶ月以上続けている毎日です。

音楽業界においては演奏会やイベントの自粛により2月後半から8月まではホールはほとんど休業状態が続きました。9月に入り規制解除の効果が出てきてコンサートを開催する動きが少しずつ高まり復活の兆しが見え始めて来ました。

我々事務局は皆さまに音の輪コンサート開催に関するアンケートをお願いし、たくさんの貴重なご意見をいただきました。この場を借りてお礼申しあげます。アンケートでは開催を希望されない方々は約20%でした。皆さんそれぞれに正論で我々一同も開催の延期を決断せざるをえない状況に何度も至りました。

我々自身の現状「業績の悪化」が重くのしかかっていたからです。
3月から8月まで半年間はほぼ売上がない状態で会社は休業、国からの援助の全てを享受しようやく会社を維持している状況でした。会社の存続さえ危うい時に音の輪コンサートの運営など全く考える余地はありませんでした。

しかし、6月ころから音楽業界および諸研究機関によって重ねて行われた、クラシック音楽演奏・鑑賞にともなう飛沫感染リスク検証実験やスーパーコンピュータの解析した飛沫の可視化の映像などが公表され、判明した結果に基づく新型コロナウイルス対策アピールが功を奏し、多くの演奏団体への明るい力強いメッセージとなって演奏会再開の雰囲気を盛りあげました。

その効果はすぐに現れました。
10月になってからは当社の打楽器レンタル売上は前年度比30%位まで回復して来ました。そして演奏活動を再開している多くの楽団は慎重に新型コロナウイルス対策を行っているように見受けられ、これまで大きなクラスターの発生を聞いていません。

世界の新型コロナウイルスの拡散拡大は止まりません。
日本の今後の状況は全く計り知れませんが、国内の新型コロナウイルス対策がこのまま順調に進んで行くとすれば現状が維持されそうに思われます。そして新型コロナウイルス対策をしっかり行い、参加者同士お互いに注意に注意を怠らなければ、通常の練習を重ね本番まで頑張れるという結論を持つに至りました。

ただし、ソーシャルディスタンスを保ち3蜜を防ぐ上で、演奏会の規模を縮小することになりました。具体的には参加者の定員を削減し音の輪シンフォニカとメモリアルバンドの合同演奏の中止、シンプルな演奏会にすることにいたしました。また誠に心苦しいのですが、定員削減による運営費の減少で参加費のご負担増をお願いしなければなりません。ご理解ご協力のほど宜しくお願いいたします。

このように数々の問題をかかえたコロナ禍の中で開催するの音の輪コンサートを無謀な計画と一蹴せずに、コロナ禍であればこそ我々の愛してやまない偉大な作曲家A. リード博士の生誕100年を彼の作品を演奏することによってお祝いしようではありませんか。皆様方のご参加を心よりお待ち致しております。



2020年10月30日

音の輪コンサート代表
株式会社エーピーアイ
代表取締役 青山 均